無料で読む!「僕と君の大切な話」のネタバレ 感想
「僕と君の大切な話」ろびこ先生の作品では初めて読みました。
高校生同士の純情ラブストーリー、といえばたしかにそうで、学生生活が舞台で主軸に女子高生の片思いから始まる同級生への告白、といえば王道かもしれません。が、現代風の「チャラい」「軽い」感じより地に足のついた青臭いドタバタ劇。
キャラクターの性格から生まれる、痴話げんかに満たない主観を語り合う論争のようなものが、考え方の男女差があり経験のなさからくる探り合いがあり、葛藤やすれ違いがあることでなかなか進展しないコメディになっています。ただ、それがリアリティを感じられ良いストーリーである理由だと思います。
設定が摩訶不思議な、急展開のあるラブストーリーものめり込める要素がありますが、毎日毎日刺激にあふれる充実感いっぱいの日常ではなく、片思いの相手から突然アプローチを受けるタナボタ的展開はそうそう起こらない現実。
思い続けていて知っているようで知りもしなかった相手の性格や考え方に触れ、反射的に避けてしまったり想像に負けていじけてしまったりしながら、冷めずに気持ちの変わらない一途さがヒロインの可愛さにあります。
理屈的で頑固そうな近寄りがたい文系男子と、どこにでも居そうな普通の、陰ながら男子人気はあるらしい、暴走しつつ良識があり自分を持ったヒロイン像には親近感を抱きます。他愛のない学校生活の内外の、恋愛だけでない二人の会話からわかるキャラクターが興味深いです。どちらの考え方にも一理あり心理をついている作品で好きです。