凪のお暇最新話ネタバレ 11巻63話　夕がかつての恋人・武を探す本当の理由とは？

2023年7月30日 2023年8月28日

前話では、凪にかわって東京でお暇生活を送る夕が、忘れられない元恋人「南野武」（凪の父親）について、ついに向き合う決心をします。しかしスマホで名前を検索するも、同姓同名の大ヒットアニメキャラクターのファンアートばかりが表示され、「南野武」につながる情報は何一つ得られませんでした。諦めようとした夕ですが、同じアパートに住むみすずの助言もあり、もう一度向き合う覚悟をした夕。かつて武と暮らした街へと向かいますが…？11巻番63話最新話　凪のお暇ネタバレ感想です！

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凪のお暇最新話ネタバレ 11巻63話ネタバレとあらすじ

かつて武と暮らした街・高円寺にやってきた夕。しかし街も歩いている人も28年前とはガラリと違った様子に困惑します。

思い出の記録のビデオテープを再生しようとすると、近くにあったパチンコ店から鳴り響く音に体が動く夕。当時武が座っていたパチンコ台を見つけて興奮します。

夕は武の残像をみることで、確かに存在していたことを確信した夕。落ち着いてみると街の中にも変わらない景色もあり、懐かしさから思わずSNSへアップします。

バンドマンだった武との出会いを話しながら、昔よくいったお店をめぐる二人。しかしどこのお店も駐車場へと変わり果てていたのです。

必死に武を探す夕の姿に、まだ彼のことが好きなんですねと涙ぐむみすず。しかし夕は真顔で、「お金よ、結構貸してたから取り立てるの」と返します。

最後に当時よく利用していたライブハウスを訪れ、武の記録か何か残っていないかとスタッフに尋ねる二人。

しかしスタッフは分からないと言い、「当時のおっかけ？そんでその男に逃げられたの？そんなの腐るほどいたからなあ」とあしらいます。

その言葉に、夕は現実をつきつけられた気がして、「わかる～私ったらテンションあがっちゃって」とカラ元気を装います。しかしみすずはそんな夕をかばうように「思い出は唯一無二です」と制し、その場を後にするのでした。

駅前で途方にくれる二人は、みすずが持ってきてくれたホットワインを飲んで一息つきます。そして夕は、みすずに対しよく知らない人探しに付き合うなんて「奇特な人よね」といいます。

みすずは亡くなった夫のことを思い浮かべながら、「会いたいと思って会いたい人が会える人なら会ってほしいと思うから」とつぶやくのでした。

そんな姿に心打たれた夕。武のことを「妊娠が分かった途端に逃げてしまった男」と話していましたが、実はそうではなかったと話します。

武は妊娠が分かってからタバコをやめ、ファミリータイプの賃貸情報を見はじめ、求人情報誌を読みふける、など真摯に向き合っていたのです。

スターになる夢を諦めようとしている武に不安を覚えた夕。なぜなら暫定で叶いそうな「大富豪の嫁になる」という夢が崩れようとしていたからです。

そんな夕の本心に気づいたのか、武がそのあとすぐ消えてしまったというのです。そこでみすずに武を探す本当の理由を打ち明けます。

まっすぐな願いに心打たれたみすずは、夕の背中をさすりながらどうかあわせてあげてほしいと神に祈ります。するとその時、夕のSNSの通知音が鳴り響きました。

こんな時に、といいながらチェックするとそこには信じがたい人からの「いいね」があり…？！

感想

いや～夕への印象がガラッと変わっちゃいましたね。凪目線で語られる夕は、恐怖の対象で人格形成まで影響を及ぼした毒親っぷりでした。

北国での生活を凪に代わってもらい、一人東京でお暇する生活もなんだかなあと思ってたんですよね。ゴンとよくない関係になりそうだし（笑）結局、娘を踏み台にして自分だけが幸せになろうと必死なんじゃないの？って不信感がぬぐえなかったんですよね。

なのに、今話を読んだらこんなの嫌いになれなくなっちゃいますよ。慎二にしろ夕にしろ、最初めちゃくちゃイヤな奴じゃん！！って思っていても、いろんな角度からみた人物像が描かれることによって、「こんなこと考えてたのか」「だからこんな行動とったのか」と憎めなくなっちゃうんです。こうした深い人物描写が凪のお暇がおもしろい理由のひとつなんでしょうね。

夕の武に対する想いを吐露するシーンは、思わず涙があふれてしまいました。

今まで武は、当時よくいるバンドマンで妊娠が分かった途端にトンズラしたロクでもない男として描かれてきました。でも実際は違ったんですよね。そういう姿に夕が思い出を改ざんしていた。

本当は夕よりもお腹の子供を想い、タバコもやめ、不安定なバンドマンから安定した職を探そうと求人情報を読み、魂とまで大事にしていたギターピックをパチンコにつかっていたのです。

凪を応援するいち読者として、そんな武の姿に胸を打たれました。凪は偶然見つけてしまった夕の心情をつづるノートを読んだ時、自分を身ごもったことで母親は夢を諦めて北国に帰ってきたと傷ついているんですよね。自分の存在が母を苦しめているのではないかと。

だからこそ、本当の武の変化を凪にも知ってほしいですよね。

一般的な感覚なら、武の変わりようって嬉しさを感じることでしょう。でも夕は違いました。

夕は武が良き父親になってほしいのではなく、スターになってほしかった。なぜなら、特になりたい夢がなかった夕にとって暫定的に叶えられそうだった「大富豪の嫁」に絞っていたから。夢を追いかける武を懸命に支えるその裏には、そんな本心が隠されていたんですね。ここに夕のブラックな部分が垣間見えてぞくっとしちゃいましたよね。

でもそんな自分の欲望もまるごと受け止め、今武に会いたい本当の理由は「謝りたいから」というところで、私の涙腺は崩壊しました。

夕は武のことが今でも大好きで、武とやりなおすことで閉鎖された北国から脱出したいと考えてると思ってたんです。あくまでかわいそうな自分を救い出してくれる王子様にしたいんだろうなって。

でも本当は、父親と楽しそうに歩くこどもを羨ましそうに見つめる凪の姿に、「あの時ああしていれば」と何度も何度も後悔していたという夕。自分のためなんかじゃなくて、せっかく幸せに暮らそうとしてくれた武にプレッシャーをかけつづけたこと、父親がいないことで寂しい思いをさせたことに謝りたいという夕。こんな願いを聞いたら、なんとか武とあわせてあげてほしいと思っちゃいますよね。

今回の見どころは夕が本当に武を探す理由を話すシーンや、当初はけん制しあっていたみすずと夕が本音を話すことで打ち解けていくシーンもすてがたいのですが、なんといっても衝撃のラストシーンですよね。作中に何気なく描かれていた、武のギターピックや、高円寺の町並みをSNSにアップする夕の行動がこんなところで伏線回収されるとは驚きでした！

何気なく投稿した高円寺の町並みのSNSに、見知らぬアカウントからの「いいね」通知がはいるのですが、それがなんと！武が使っていたギターピックの画像だったんですよね。そしてアカウント名には「nantake」の文字が！これは確実に武からの通知ですよね。

武も同じようにSNSで夕を探し、彼女のアカウントと分かっていいねをおしたのか、それともたまたま流れてきた画像が懐かしかったからいいねをしたのか。本当のところが気になりますね！